ゲストハウスや民泊は事務作業の断捨離を徹底しよう。自分のキャパを計算して経営しているか

宿の経営でほとんどを占める仕事は「雑用」です。これは大きなホテルでも同じです。
清掃やベッドメイク、何かを設置したり、コミュニケーションをとることよりも、小さな事務作業が圧倒的に多いのです。

ざっと思いつくだけでこれくらいありますね。
食事付きの宿や、従業員を雇用しているならさらにたくさんの管理業務があります。

  1. 喚起させるHPや宿の情報をインターネットやパンフレットで紹介する
  2. SNSやブログでの発信
  3. メール・電話での問い合わせ対応
  4. 外国人の場合は英語でのやりとり、英語の案内
  5. 補助金の申請など
  6. 予約と部屋の管理
  7. 予約サイトの管理
  8. 支払い方法
  9. 経理全般
  10. 確定申告
  11. 雑費・経費・光熱費の見積もり
  12. 注意事項の張り紙の作成
  13. 営業(他の地域や観光案内所で紹介してもらう)

これらの業務について、ほとんど除去することはできません。1~5については無関係またはこだわらない宿もあります。

1~2人で経営している場合、身の回りの雑用や接客に加えて上記の事務作業をこなしながら、日常生活を送るのは困難です。ほかの仕事を兼務していたり、子どもがいる場合はさらに大変になりますし、それを無理やりこなすのは何かが大雑把や放置になってしまいます。

整理してみよう
  • 手間になっている事務作業は何か
  • あれこれ手を出しすぎていないか
  • 様々なサービスに対する手数料の経費はいくらか
  • HPやパンフレットは本当に必要か
  • 設定がよくわからずに放置している予約サイトはないか

経営する小規模の宿において、非効率な作業は削除する

私は一人で宿を切り盛りしているので、事務作業は最低限にして接客やSNSに力をいれています。
運営はAirbnb一択で、直接予約は受けません。

HPやパンフレットはない
電話やメールを公表しない
予約はAirbnbのみで受け付ける(直予約もとらない)
そのためカード払いのみなので経理が楽
領収書を渡す必要はない
経費や光熱費など宿に関する全ての支払いは1枚のクレジットカード決済
旅館組合や観光連盟に属さない(紹介されたくない)

あれこれ手を出さず1~2種類に絞る

5部屋しかないゲストハウスで、booking.com、楽天、じゃらん、Airbnb、Agoda、直予約を受け付けて、それを一括管理する有料サービス(リンカーン)を取り入れ、支払い方法は現金、カード、QR、電子マネーに対応していました。その手間と手数料は必要でしょうか?
大きなホテルでは競合が多いので入口がたくさんある方がいいですし、決済方法も選べるほうがありがたいです。しかし小さな宿でそれは「サービスの充実、柔軟な対応」と呼べるのでしょうか。

各予約サイトは管理画面の操作が全く違うので、それに慣れるだけでも時間がかかります。
何か情報を変えるときは各サイトを変更する必要がありますが、それが出来ていない宿はたくさんあります。

今どき誰でも持っているクレジットカードが使えれば十分ではないでしょうか。
インバウンドが多い宿ではQRや電子決済は役に立ちません(各国違います)。

電話、Fax、メール、オンライン…すべてを受け入れて対応するのは困難です。自分がどこにいても、他の仕事をしていても対応できる連絡手段だけに的を絞りましょう。

Neco
Neco

予約は電話受付だけの田舎民宿もリピーターが多いよね

ペーパーレスを徹底する

私がAirbnbだけに的を絞っているのは、
本人確認(パスポートなど)、電話番号、事前クレジットカード決済ができないとアカウントを作れない仕組みだからです。
これだけで、保証が確定しますよね。クレジットカードが1番の信用保証になります。

・パスポートのコピーを取らなくていい
・現地での支払いがないので領収書は不要
・保健所から義務付けられているので、チェックイン時に名前と住所だけ書いてもらう

印刷にもコストはかかりますし、何よりも手間です。これだけでチェックインがかなりスムーズですよね!

HPやパンフレットよりも身近な更新を

小さな宿に立派なホームページは必要でしょうか?楽天やAirbnbに詳細を掲載していれば不要ですし、どうしても必要なら無料ツールを使って作成する程度で十分だと思います。
例)ペライチ、Jimdo、Googleビジネス

インターネット上では、予約サイトの方が圧倒的に検索率が高いのです。個人が作成してもそれより検索上位になることは稀です。予約サイトやGoogleマップに的確なワードを含めて文章を作成するほうが集客につながります。

パンフレットも不要ですね。大きなホテル旅館なら今でも必要かもしれませんが、名刺サイズのPRで問題ないと思います。

宿の名前を追って旅をする時代ではない

昔は名前を売るために巨大な看板を設置し、アメニティに宿の名前を印字してお客様に「宿名」をアピールする営業方法でした。「記念」にはなりますが、そのコストは削減すべきでしょう。

HPやパンフレットにコストをかけて放置するのではなく、SNSやブログを更新し続ける方が確実に集客できます。
特別な写真や文章は不要です、その地域の出来事、宿の紹介、天気だけでも更新していく。
「SNSは苦手」という人が多くいますが、それが営業の仕事ですからね。一方通行に投稿するだけのことが手間なら他のことも出来ないと思います。

経費は統一したカードで支払う

雑費や光熱費を、現金・カード・QR決済などで支払っていませんか。会計処理や確定申告のためにもお金の出処を1つに絞っておきましょう。レシートを取っておく必要もなく、1ヶ月分の支払い明細だけ保存しておけば問題ありません。

会計ソフトは、弥生会計・freee・マネーフォワードがおすすめです。利用者が多いのでインターネットで検索すれば解決策がたくさん表示されます。

気遣いや気の利いたサービスを提供するために無駄は減らす。

小規模の宿は、少ない投資で利益を獲得しなければ常に赤字になります。投資というのはお金だけでなく、オーナーの時間と労力も含まれています。
いろいろな手段に手を出すと、自分の首が絞まります。お客様に対してフットワークの軽い対応をするために、宿側の業務にストレスをもたないようにしましょう!

見直してみましょう
  • 予約サイトの登録は適切か
  • 決済方法は客層にマッチしているか
  • ちゃんとシステムを使いこなしているか
  • 経費事務で書類を最低限にしているか
  • 広告やPR営業でコストをかけて楽しようとしていないか
  • 会費、手数料、登録料にいくらかけているか