佐渡は信仰島 多数の寺社、地蔵、石仏を巡ろう

佐渡島といえば佐渡金山・たらい船などを連想する人が多いですが、寺社や文化財も見どころの一つです。小さな島の中には国宝級の建物や文化財が美しい状態で多く残されており、時間と車があればいくつかの神社仏閣を巡ってみましょう。

佐渡の寺

佐渡島には約270箇所の寺があり、広い新潟県の1割を占めています。廃寺も見かけたので昔はもっと寺があったと思うといかに狭い面積内で信仰が盛んであったかがわかります。

蓮華峰寺

806年空海により開山。あじさい寺として有名ですが、その敷地内には目を奪われる文化財で溢れています。国の有形文化財が16点もあり、建築技術にも目を奪われます。
金堂や弘法堂はじめ、地蔵堂、仁王門、八角堂などゆっくり見て回りたい文化財が並びます。
骨堂は宝形造、茅葺の小仏堂で、南北朝初期に建立され、建物は禅宗様の本格的な手法と良質の材木によって綺麗に保たれています。禅宗様の本格的細部をもつ建物としては東日本に現存する最も古い遺構だとされています。
奥に保存されている台徳院霊屋と東照宮の彫刻は何度見ても魅了されます。

妙宣寺

新潟県唯一の五重塔は30年かけて建立されたもので、寺にはその設計図も残されています。仁王門や茅葺屋根の庫裏、回廊に飾られた彫刻も素晴らしい。敷地は広々としていて、春の枝垂桜や紅葉時期も美しいです。

清水寺

808年京都の清水寺を模して建立したと言われる寺で、美しい参道や歴史を感じる建築が魅力です。

真言宗 北豊山長谷寺

うさぎ寺、ボタン寺などいろいろ呼称がありますが、見るべきは木造十一面観音像、平安時代の金剛力士像、五智堂など国指定文化財の数々が安置されています。

佐渡遍路(佐渡八十八ケ所霊場)

昭和6年に「佐渡一國遍路」として島内八十八ヶ所巡拝が始まりました。ガイドブックや専用の納経帳もあります。島内あちこちの寺に「佐渡八十八ケ所霊場」ののぼりが立っているのですぐわかります。
一番が国分寺、八十八番が蓮華峰寺となっています。

https://sadoreijoukai.jp/img/panfu_new.pdf

佐渡の神社

寺同様に神社も多く約250の神社があるとされています。佐渡の神社は地元の人たちによって大切に美しく保たれているものが多く、今でも祭事をしっかり継承している佐渡文化がはっきり伺えます。
神仏習合が多いので、寺と同じ境内もたくさんあります。また、歴史的な神社には文化価値の高い能舞台もあり見ごたえがあります。

牛尾神社

792年に創建され、明治時代に5年かけて再建。物語風に施された名工らによる彫刻群は必見!
樹齢1000年の安産杉、能舞台、天満宮などどれも圧巻です。

小比叡神社

蓮華峰寺境内にある雰囲気の良い村社です。苔むした藁葺の本社は1640年、石造明神鳥居は1608年に建立。

佐渡一ノ宮度津神社(わたつ)

大きい真っ赤な鳥居が静かな羽茂エリアで大変目立ちます。交通の守護神として初詣には多くの人が訪れるようです。隣には保養温泉や菖蒲園があります。

二ツ岩大明神

タヌキの団三郎が祀られている神社。いわゆる民間発祥による化け狸の物語ではありますが、参拝者が多くたくさんの鳥居をここへ運んでいます(祈願が成就すれば鳥居を奉納する)。ただし現在はかなり廃れていて、一般人には「不気味」と感じるのが正直なところ。
タヌキは佐渡にとって特別な動物です。車がないと行けませんが興味あるかたはぜひ。

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タヌキは佐渡では「とんちぼ」や「むじな」と呼ばれてるよ

佐渡の観音・地蔵

佐渡には至る所に観音堂や地蔵堂があり、信仰の熱さがよくわかります。興味がないと車で通りすぎてしまいますが、集落の人々によって清潔に保たれ憩いの場となっている場所もたくさんあります。

岩屋山石窟・摩崖仏

宿根木の背後にある洞窟に祀られた仏群。観音堂や摩崖仏(空海の作)があり、洞窟前には四国遍路の八十八カ所霊場巡りになぞられた88体の石仏が並ぶ霊場です。珍しく遊歩道が整備されていますが、駐車場はありません。

佐渡西国三十三観音

西国三十三所の「写し」として、昭和35年に「佐渡西国三十三番」巡礼地が作られました。もともと各集落や里山に観音堂や地蔵が点在していたためでしょう。情報が少ないので巡礼場所については個人のブログを辿るしかありません。

参考リンク

https://daikumati41.livedoor.blog/
https://sztrail.com/japan/sado/

佐渡の歴史上いろいろな説があるのでしょうが、(市面積に対して)水子を祀る場が多いと思いました。海に向けて洞窟内にならぶ「賽の河原」は全国でも有名です。「怖い・不気味」という人がいますが、飢餓によって流産したり、親の勝手による中絶によって亡くなった意味だけでなく、大病をもった子どもの治癒の後に身代わり地蔵として置く風習もあります。下記の他にも小さいながら島内でいくつか見かけました。

賽の河原

北部の奇岩二つ亀と大野亀の間にあります。二つ亀や願集落から海沿いに歩けばすぐに見つかります。

梨の木地蔵

真野から赤泊に向かう途中の梨の木峠(65号線)沿いにあります。目立たない小さな看板があるだけのひっそりしたものですが、賽の河原よりも圧倒されます。

佐渡は、人口や面積に対し寺院数が極めて多いのです。寺は真言宗が多いですが、神社や地蔵が道のあちこちに見られます。佐渡の別の楽しみ方として巡るのはいかがでしょうか。

参考:佐渡市HP 

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